この記事の概要
食物繊維を摂ると水素を発生させる力が高まります。腸は、腸内細菌が水素をつくりだし過剰に発生した活性酸素を消し去ってくれるのです。水素を発せさせるバクテロイデス門の細菌は、食物繊維がたっぷりあるときに繁殖力を高めて優勢になり数を増やします。食物繊維は育毛にとても大切なものになります。
1. 腸内細菌は水素を発生させる
腸内細菌は、水素を発生させます。そのためには、腸内細菌にとって良い餌となる食物繊維を摂る必要があります。
「酸化」とは、対象となる物質から電子を奪い取って劣化することです。その逆が、電子をを受け取って安定した状態になるのが「還元」と言います。
活性酸素がいかに悪いかというのは、非常に不安定な電子構造をしていて、触れるものを瞬間的に電子を奪い取ってしまうからです。
酸素は水素と結合すると水になります。水素は、最も強い還元力が高いものです。腸は、腸内細菌が水素をつくりだし、過剰に発生した活性酸素を消し去ってくれます。この場合の活性酸素とは、凶悪なヒドロキシルラジカルです。水素は、他の活性酸素には反応しません。
2. 腸内での水素の発生メカニズム
一般的に乳酸菌などのビフィズス菌を善玉菌として歓迎されていて、悪玉菌は排除しようとしています。
勢力が優勢な方に味方する日和見菌には、関心が高まっていません。近年の研究により、日和見菌が腸内環境の鍵を握ることが分かってきました。水素を発生させる菌は、日和見菌に属する腸内細菌ではないかと考えられています。
遺伝子技術の発展により、腸内細菌も遺伝子解析されるようになりました。研究によれば、全人類では、3万種、千兆個、個々の人類では200種、百兆個もの細菌が腸にいることが示されました。
これらほとんどが日和見菌に該当することが分かってきました。腸内細菌を、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と単純には区別できないようです。
腸内細菌たちは、宿主のために働こうというわけではありません。善玉菌だからと言って宿主の健康のために働こうとか、悪玉菌が宿主の健康を阻害してやろうということは考えず、ただ自分たちの腸内環境のために働いているだけです。
3. 腸内細菌
フィルミクテス門:日和見菌(最も多い細菌で、異常に繁殖すると悪玉菌に味方する)
バクテロイデス門:日和見菌(繁殖力が増すと善玉菌に味方する)
プロテオバクテリア門:大腸菌などの悪玉菌
アクチノバクテリア門:ビフィズス菌などの善玉菌(腸内全体の10%しかいない)
水素を発生させているのは、バクテロイデス門の細菌だと藤田紘一郎先生はみています。バクテロイデス門の細菌を増やすことが腸内細菌の抗酸化力を高めて、活性酸素を抑え、頭皮と毛球を健康に保ってくれるようです。
水素を発せさせるバクテロイデス門の細菌は、食物繊維がたっぷりあるときに、繁殖力を高めて、優勢になり数を増やします。
まとめ
腸内細菌は水素を発生させる
水素を発生させる菌は、日和見菌に属する腸内細菌
水素を発せさせるバクテロイデス門の細菌は、物繊維がたっぷりあるときに繁殖力を高める